「paypay銀行 振込手数料 無料にする方法」を探しているなら、答えは3つに集約されます。①10万円以下は「ことら送金」で0円にする ②給与受取特典に「エントリー」する ③そもそも他行あて振込という動作を使わない配線に組み替える です。
PayPay銀行公式「振込手数料」(2026)によると、インターネットバンキング経由の他行あて振込は145円、同行あては0円です。一方でATM等の経路では他行あて660円(3万円未満)/1,100円(3万円以上)と、同じ「振込」でも経路だけで最大7倍以上の差が生まれます。つまり無料化とは、値切ることではなく経路を替えることです。
そしてこの記事の主題はもう一段先にあります。2026年は住信SBIネット銀行(現・ドコモSMTBネット銀行)の5月改定や七十七銀行の4月改定など、「無料回数を稼ぐ」節約法の賞味期限が切れつつある年です。残高や優遇ランクに依存する無料回数は、改定のたびに減る可能性があります。そこで本記事では、ATM出金・他行振込という「手数料が発生する動作」自体を置き換え、ランクに左右されない状態を作る家計の配線図を、比較表・計算式・12項目チェックリストで示します。
手数料や優遇条件は各行が随時改定します。本文の数値は出典元の公表内容にもとづく執筆時点の情報です。実行前に必ず各行の公式ページで最新条件をご確認ください。
結論:手数料ゼロ化は「回数を稼ぐ」から「動作を置き換える」へ
銀行手数料を無料にする最短ルートは、優遇ランクを狙うより先に「ことら送金」「アプリでATM」「口座振替」へ動作を置き換えることです。ランクや残高に依存しないため、改定の影響を受けにくくなります。
家計から出ていく銀行手数料は、実は5つの動作にほぼ集約されます。この5つを一つずつ、手数料が発生しない方法に置き換えていくのが本記事の骨格です。
手数料が発生する5つの動作と置き換え先
結論として、5動作すべてに0円の代替手段が存在します。
| 動作 | (A)従来のやり方 | (B)従来の手数料 | (C)置き換え先 | (D)置き換え後 | (E)使える銀行・条件 | (F)月1回利用時の年間削減額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ①自分名義の他行口座へ資金移動 | ATM・窓口/ネット振込 | 145〜1,100円 | ことら送金/定額自動入金 | 0円 | ことら対応431事業者。1件10万円まで | ▲1,740〜13,200円 |
| ②家族・友人へ送金 | 他行あて振込 | 145〜660円 | ことら送金 | 0円 | 携帯番号・メールでも送金可 | ▲1,740〜7,920円 |
| ③現金を引き出す | コンビニATM | 220〜330円 | アプリでATM/スマホATM | 0円 | 住信SBI(改定後)はアプリでATM無制限無料 | ▲2,640〜3,960円 |
| ④現金を入れる | 窓口で硬貨を入金 | 101枚以上550円〜 | 100枚以下に分割/キャッシュレス化 | 0円 | ゆうちょは1〜100枚無料(2024年4月改定後) | ▲6,600円(月1回550円換算) |
| ⑤家賃・公共料金を払う | 窓口振込 | 660〜990円程度 | 口座振替・定額自動送金 | 0円 | 請求元が口座振替に対応している場合 | ▲7,920〜11,880円 |
表の(F)はあくまで「その動作を月1回していた場合」の単純試算です。実際の削減額は利用頻度と契約内容で変わります。
一人暮らし・ファミリーの年間削減額シミュレーション
利用頻度が上がるほど、置き換えの効果は大きくなります。
| 項目 | 一人暮らし想定 | ファミリー想定 |
|---|---|---|
| ①他行口座への資金移動 | 月1回×145円=1,740円 | 月2回×145円=3,480円 |
| ②家族・友人への送金 | 月0.5回×145円=870円 | 月2回×220円=5,280円 |
| ③コンビニATM出金 | 月2回×220円=5,280円 | 月4回×275円=13,200円 |
| ④硬貨入金・その他 | 0円 | 年550円 |
| ⑤支払い(振込のまま) | 0円 | 月1回×660円=7,920円 |
| 年間合計削減額(上限) | 約7,890円 | 約30,430円 |
一人暮らしでも年間8,000円弱、家族世帯なら3万円規模。これは動作を置き換えるだけで、収入も投資も必要としない削減です。
まず「ことら送金」と「アプリでATM」の2つを設定するだけで、削減額の大半が取れます。優遇ランク狙いは、その後に検討すれば十分です。
そもそも「ことら送金」とは何か?なぜ上位記事に載っていないのか

ことら送金とは、1件10万円以下・手数料0円で個人あてに送金できる仕組みで、ことら公式(2026)によると現在431事業者が対応しています。優遇ランクや残高とは無関係に無料です。
多くの「手数料を無料にする方法」記事は、振込という枠の中で安い経路を探します。ことら送金はその枠の外にある別の送金レールです。銀行間の資金移動に使われる従来の全銀システムではなく、少額決済専用のインフラを使うため、そもそも振込手数料という概念が発生しません。
ことら送金は、1件あたり10万円以下の個人あて送金サービスで、サービスを開始している事業者はすべて手数料無料です。(ことら株式会社 公式「ことら送金 利用者向けページ」2026年)
ことら送金でできること・できないこと
使える場面は限定されますが、その範囲では強力です。
- できること:自分名義の他行口座への資金移動、家族・友人への送金、携帯電話番号やメールアドレス宛の送金
- できないこと:1件10万円を超える送金、法人あての支払い、未対応の金融機関との送受金
- 注意点:利用にはアプリ側での初期設定(送金サービスの利用登録)が必要な場合があります
MMD研究所の2025年10月調査によると、ことら送金の認知度は28.7%、利用経験率は10.2%にとどまる一方、利用者満足度は86.0%でした。用途は「自分の他行口座への送金」が95.7%、家族70.3%、友人65.3%です。
この数字は重要です。実際に使った人の満足度は高いのに、9割の人がまだ使っていない。手数料無料化の余地が最も大きく残っているのがここだといえます。
対応事業者は今も増え続けている
地方銀行の追加が続いており、対応範囲は拡大中です。
ことら公式サイトによると、ゆうちょ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・SBI新生銀行・京都銀行・きらぼし銀行・青森みちのく銀行などが対応済みで、青森みちのく銀行は2026年5月に取扱を開始しています。過去に調べて「自分の銀行は非対応だった」という方も、再確認する価値があります。
対応の有無は銀行アプリ内の「送金」メニューに「ことら送金」や「Cotra」の表記があるかで確認できます。表記が見当たらない場合はことら公式の対応事業者一覧で検索してください。
始める前の準備:3つの確認と所要時間
手数料ゼロ化を始める前に必要なのは、①銀行アプリのインストール ②現在の手数料実績の把握 ③給与受取特典のエントリー状況の確認の3つです。所要時間は合計30分ほどです。
準備1:銀行アプリを入れる(10分)
アプリは単なる残高確認ツールではなく、手数料が最も安い経路そのものです。
PayPay銀行公式(2026)の手数料表が示すとおり、他行あて振込はインターネットバンキング145円に対し、ATM等の経路では3万円未満660円・3万円以上1,100円です。同じ送金でも経路を変えるだけで515〜955円の差が生まれます。アプリを入れる作業は、この差額を毎回取りにいくための前提条件です。
準備2:直近3か月の手数料を数える(15分)
自分がいくら払っているかを知らないと、優先順位を決められません。
- 銀行アプリまたはWeb通帳で直近3か月の明細を開く
- 「ATM手数料」「振込手数料」「時間外手数料」の記載を探す
- 3か月分を合計し、4倍して年額換算する
- 年額が5,000円を超えるなら、この記事の①〜③を最優先で実行する
準備3:エントリー状況を確認する(5分)
無料条件を満たしていても、手続き漏れで無効になっている場合があります。
PayPay銀行公式ヘルプ(2026)は、給与受取による他行あて振込手数料の無料特典について、「要エントリー」であり、給与を受け取っていてもエントリーしていない場合や、振込内容が給与と判定されない場合は特典対象外となると明記しています。ここは後述の「つまずきポイント」でも詳しく扱います。
「給与が振り込まれているから自動的に無料になるはず」という思い込みが、最も多い取りこぼしです。必ずアプリ内のキャンペーン/特典ページでエントリー済みかを確認してください。
paypay銀行 手数料無料にする方法を手順で解説
PayPay銀行で手数料を無料にする方法は、①同行あて振込は0円 ②他行あて10万円以下はことら送金で0円 ③給与受取エントリーで他行あて月3回0円の3段構えです。この順番で設定します。
手順1:同行あて・ことら送金で「145円が発生しない送金」を作る
まず、有料の振込を使わずに済む送金経路を確保します。
- PayPay銀行アプリにログインする
- 送金先が同じPayPay銀行なら、通常の振込で0円(公式手数料表のとおり)
- 他行あてで10万円以下なら、ことら送金メニューを選ぶ
- 相手の携帯電話番号または口座情報を入力して送金する
- 10万円を超える場合は、2回に分けるか通常振込(145円)を使う
手順2:給与受取特典にエントリーする
無料回数を得るには、給与受取に加えて明示的な申込が必要です。
PayPay銀行公式FAQ(2026)によると、無料特典の条件は給与受取(要エントリー)で他行あて月3回0円、または前月の預金平均残高3,000万円以上で月5回0円です。現実的に狙えるのは前者です。
- アプリまたはWebの特典・キャンペーンページを開く
- 「給与受取特典」のエントリーボタンを押す
- 勤務先に給与振込口座としてPayPay銀行を指定する
- 翌月以降、無料回数が付与されているかを明細で確認する
手順3:ATM経路を使わない設計にする
PayPay銀行はATM経由の振込が特に高額なため、この経路を封じます。
他行あて振込をATM等の経路で行うと3万円未満660円・3万円以上1,100円(同行あては1,320円/1,760円)です。月1回でも年間7,920円以上。「窓口・ATMからの振込は使わない」と決めるだけで、この項目はゼロになります。
145円を無料回数で消すより、10万円以下はことら送金というルールを家庭内で共有するほうが、回数制限に悩まされず恒久的です。
三井住友銀行 振込手数料 無料にする方法とメガバンクのATM対策
メガバンクで手数料を抑える基本は、「自行ATMを時間内に使う」「コンビニATMを避ける」「ことら送金に逃がす」の3点です。三井住友銀行はOliveアカウント契約で提携ATM手数料が無料になります。
三井住友銀行の場合
三井住友銀行公式「ATM手数料のご案内」(2026)によると、自行ATMは110円、コンビニATM(イーネット・ローソン・セブン銀行)は平日8:45〜18:00が220円、それ以外・休日は330円です。そしてOliveアカウントを契約すると提携ATM手数料が無料になります。
振込側については、ことら送金に対応しているため、10万円以下の個人あて送金は0円で実行できます。振込手数料の無料化を考えるなら、Olive(ATM側)とことら送金(振込側)の二正面で押さえるのが現実的です。
三菱UFJ銀行の場合
三菱UFJ銀行公式「ATM利用手数料」(2026)の料金体系は、時間帯と日付で細かく変動します。
| 利用場所 | 平日8:45〜18:00 | その他時間・土日祝 |
|---|---|---|
| 自行ATM | 無料(8:45〜21:00) | 110円 |
| セブン銀行・ローソン | 220円 | 330円 |
| イーネット | 198円 | 308円 |
さらに三菱UFJ銀行では毎月25日・月末日は日中無料(その他の時間帯は110円)という優遇があります。給与日周辺のまとめ引き出しをこの日に寄せるだけで、年数千円の差が出ます。
三井住友信託銀行の調査月報2026年2月号によると、国内のATM設置台数は2018年の約19.4万台をピークに減少に転じています。今後「近くの自行ATM」を前提にした節約は成立しにくくなる可能性があり、アプリ経路への移行は中長期でも合理的とされています。
つまずきやすいポイントと対処法
無料条件を満たしたつもりで外れる原因は、「エントリー漏れ」「給与と判定されない」「ランク判定月のラグ」の3つに集中します。いずれも事前確認で防げます。
つまずき1:エントリーしていない
最も多く、最も気づきにくい失敗です。
PayPay銀行公式ヘルプ(2026)は「給与受取をしているのに振込手数料の無料特典の対象になりません。」という設問を設け、エントリーが必要であることを案内しています。特典は自動適用ではないという前提に立ち、条件変更のたびにエントリー状況を見直してください。
つまずき2:振込内容が「給与」と判定されない
給与を受け取っていても、判定基準を外れると対象外になります。
同ヘルプでは、振込内容が給与と判定されない場合も特典対象外になるとされています。勤務先の振込依頼人名や振込方法によっては、システム上「給与」と認識されないことがあります。無料回数が付与されていない月があれば、明細の振込依頼人名を確認し、必要に応じて銀行と勤務先に問い合わせるのが確実です。
つまずき3:ランクの判定月と適用月がずれる
今月の取引実績が、今月のランクに反映されるとは限りません。
住信SBIネット銀行のプレスリリース(2025年11月7日)にもとづく報道(Impress Watch 2025年11月10日)によると、改定後のスマートプログラムでは3月の取引が5月ランクに反映されるなど約2か月のラグがあります。「今月から取引を増やしたのに無料にならない」という事象の多くはこのラグが原因です。
大きな出費が決まっている月の直前に条件を満たそうとしても、ランク反映が間に合わない可能性があります。ランクに依存する節約は、こうしたタイムラグのリスクを常に抱えます。
効率化のコツ:定額自動入金と口座振替で「振込」自体をなくす
手数料を恒久的にゼロへ固定する鍵は、定額自動入金サービスで他行から資金を吸い上げ、支払いは口座振替に寄せることです。どちらも手数料0円で、毎月の操作が不要になります。
定額自動入金サービスとは
他行の口座から自動的に資金を引き寄せる、手数料0円の仕組みです。
給与口座はメガバンク、生活口座はネット銀行という人は多いはずです。この間の資金移動を毎月手動の振込で行えば、145〜660円が積み上がります。定額自動入金サービス(住信SBI/ソニー/イオン/auじぶん/PayPay銀行などが提供)を設定すれば、指定日に指定額が自動で移動し、手数料はかかりません。
設定手順は共通してシンプルです。
- 資金を受け取りたい側(ネット銀行)のアプリで「定額自動入金」を選ぶ
- 引き落とし元の金融機関・口座番号を登録する
- 毎月の金額と入金日を指定する
- 初回反映まで1〜2か月かかる場合があるため、余裕を持って設定する
支払いは口座振替に寄せる
窓口振込で払っている固定費は、口座振替に変えるだけで0円になります。
家賃・水道光熱費・通信費・保険料などを毎月振込で払っている場合、1回660〜990円程度が発生します。請求元が口座振替に対応していれば、申込書1枚で恒久的にゼロにできます。月1回990円なら年11,880円の削減です。
現金を下ろす回数そのものを減らす
ATM手数料は「下ろさなければ発生しない」費用です。
経済産業省が2026年3月31日に公表した資料によると、2025年のキャッシュレス決済比率(国内指標)は58.0%で前年比+5.2ポイントでした。コード決済が前年比+22.6%、クレジットカードが+15.1%と伸びています。日常の支払いをデビットやコード決済に寄せれば、ATMに行く回数自体が減り、220〜330円の出費機会が消えます。
「無料回数を使い切る」より「無料回数を使わずに済ませる」ほうが強い戦略です。前者は改定で減りますが、後者は改定の影響を受けません。
注意点・リスク:2026年の改定と、残高を寝かせる損益分岐
注意すべきは、無料回数が縮小方向に改定されつつあることと、優遇ランクのために残高を寝かせる機会損失です。どちらも数字で判定できます。
2026年に進む「無料回数の再編」
無料回数は増えるとは限らず、減る方向の改定も実際に起きています。
住信SBIネット銀行は2025年11月7日のプレスリリースで、スマートプログラムを2026年5月1日に改定すると発表しました。円普通預金+SBIハイブリッド預金残高、または給与・賞与・年金受取・口座振替の利用状況で判定する5段階ランク制へ移行し、報道によればカードATMの無料回数はランクに応じ月2〜20回となります。一方でプレスリリースには「アプリでATM」および「ことら送金」は何度でも手数料無料と明記されています。
七十七銀行も2025年11月21日のニュースリリースで、2026年4月1日に振込手数料を改定すると発表しました。窓口・ATMでの現金振込を値上げし、インターネットバンキング・アプリ振込は値下げ、3万円の金額区分を廃止する内容です(自動送金サービスは2026年7月1日改定)。
この2件が示す方向は同じです。現金・カード操作は高くなり、アプリ経路は安くなる。銀行側のコスト構造がそのまま料金に反映されつつあります。
住信SBIネット銀行は「ドコモSMTBネット銀行(旧 住信SBIネット銀行)」へ商号変更しています(2026年8月時点)。検索や手続きの際は銀行名の表記にご注意ください。
計算:手数料の「実質マイナス利回り」
手数料は、預金金利と同じ土俵で比較すると影響の大きさが見えます。
式1:年間手数料負担 ÷ 平均預金残高 × 100 = 実質マイナス利回り
計算例を置きます。
- コンビニATM 月3回 × 220円 = 660円
- 他行あて振込 月2回 × 145円 = 290円
- 合計 950円/月 = 年11,400円
- 普通預金残高50万円の場合:11,400 ÷ 500,000 × 100 = ▲2.28%/年
普通預金金利が年0.2%前後の環境では、手数料負担はその約11倍の逆ざやにあたります。金利を0.1%上げる銀行探しより、手数料を消すほうが家計インパクトは大きい、というのが数字上の結論です。
計算:残高を寝かせて優遇ランクを取るべきか
「ランクのために残高を積む」判断も、要求利回りに換算すれば比較できます。
式2:(無料化で浮く年間手数料 ÷ 追加で拘束する残高)× 100 = その残高に要求される利回り
楽天銀行公式「ハッピープログラム」(2026)によると、VIP(残高100万円以上または取引20件以上)でATM月5回・他行振込月3回が無料、スーパーVIP(残高300万円以上または30件)でATM月7回・振込月3回が無料です。加えて給与・賞与・年金の受取があれば全ステージで他行振込が月3回無料とされています。
| ケース | 追加拘束残高 | 浮く年間手数料 | 要求利回り | 判定の目安 |
|---|---|---|---|---|
| VIP狙いで100万円を寝かせる | 1,000,000円 | 11,400円 | 1.14% | 他の運用先が1.14%超なら不利 |
| VIP狙いで100万円(手数料が年5,000円の人) | 1,000,000円 | 5,000円 | 0.50% | 低い手数料負担なら旨みは薄い |
| 残高を積まず、給与受取で振込3回無料 | 0円 | 5,220円 | ― | 拘束なしで取れるなら有利 |
| 残高を積まず、ことら送金+アプリでATM | 0円 | 11,400円 | ― | 拘束なしで同等の削減 |
表の下2行が本記事の主張そのものです。残高を1円も拘束せずに同じ削減額が取れるなら、ランク狙いは必須ではありません。もちろん、すでに残高がある方にとってランク優遇は追加コストゼロの利益ですから、否定するものではありません。判断軸は「そのために新たに資金を寝かせるかどうか」です。
ここでの試算は手数料削減額のみを比較したもので、運用商品には元本割れの可能性を含む固有のリスクがあります。実際の資金配分は、ご自身の生活防衛資金の必要額を踏まえてご判断ください。
ATM・振込以外に発生する手数料
口座を「持っているだけ」「使っていないだけ」で発生する費用もあります。
三菱UFJ銀行公式(2026)によると、2022年4月1日以降に新規開設した普通預金口座(18歳以上70歳未満)には紙通帳利用手数料 年550円(税込)がかかります。また2021年7月1日以降に開設され2年以上未利用となった口座には未利用口座管理手数料 年1,320円(税込)が課されます。
硬貨の取扱いにも料金があります。ゆうちょ銀行公式(2024)によると、2024年4月1日の改定で窓口の51〜100枚が550円から無料化され、101〜500枚は825円から550円に引き下げられました(1〜50枚は従来どおり無料、501〜1,000枚1,100円)。貯金箱の中身を持ち込む際は、100枚以下に分けるだけで無料になる可能性があります。
家計の「銀行手数料ゼロ化」は、ATMと振込を潰しただけでは完成しません。紙通帳・未利用口座・硬貨の3つを含めて初めて全体が閉じます。
具体例:一人暮らしAさんとファミリーBさんのケース
実際の家計に当てはめると、上位3項目の置き換えだけで年1万円前後が消えるケースが一般的です。以下は本記事の公表データにもとづく試算例です。
ケース1:一人暮らしAさん(メガバンク給与口座+ネット銀行生活口座)
改善前の年間負担は約9,600円でした。
| 項目 | 改善前 | 打ち手 | 改善後 |
|---|---|---|---|
| コンビニATM 月2回 | 5,280円/年 | 給与日にまとめて自行ATMで引き出し+コード決済比率を上げる | 0円 |
| 給与口座→生活口座 月1回 | 1,740円/年 | 定額自動入金サービスを設定 | 0円 |
| 友人との割り勘 月1回 | 1,740円/年 | ことら送金(10万円以下) | 0円 |
| 紙通帳 | 550円/年 | Eco通帳へ切替 | 0円 |
| 使っていない口座 | 1,320円/年 | 解約または利用再開 | 0円 |
| 合計 | 約10,630円/年 | 0円 |
Aさんの支出構造は「気づかないうちに毎月880円」でした。年額にすると、格安SIMへの乗り換え1か月分に近い金額です。
ケース2:ファミリーBさん(家賃を振込、生活費を現金管理)
改善前の年間負担は約3万円規模でした。
- 家賃の窓口振込(月1回660円=年7,920円):管理会社に口座振替を申し込み → 0円
- コンビニATM出金(月4回×平均275円=年13,200円):アプリでATM対応銀行へ生活口座を移し、コード決済を併用 → 0円〜
- 配偶者への生活費送金(月2回×220円=年5,280円):ことら送金へ変更 → 0円
- 子どもの貯金箱の硬貨入金(年2回×550円=1,100円):100枚以下に分けて持ち込む → 0円
- 紙通帳・未利用口座:Eco通帳化と口座整理 → 年1,870円削減
合計で年間約29,370円。ファミリー世帯は「振込」「現金」の頻度が高いぶん、削減余地も大きいという構造です。
効果が大きい順は、①家賃など固定費の振込 ②ATM出金 ③家族間送金です。手をつける順番を間違えなければ、最初の30分で削減額の8割が確定します。
口座の手数料ゼロ化 12項目チェックリスト
最後に、年間いくら削れるかを自分で記入できる12項目にまとめます。該当する項目に金額を書き込み、末尾で合計してください。
| # | チェック項目 | 該当時の年間金額の目安 | 打ち手 | 確認先 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | □ コンビニATMで出金している | 2,640〜13,200円 | アプリでATM・スマホATMに切替 | 各行アプリ |
| 2 | □ 他行あて振込をしている | 1,740〜13,200円 | ことら送金(10万円以下) | cotra.ne.jp |
| 3 | □ 給与口座→生活口座を手動で移している | 1,740〜7,920円 | 定額自動入金サービス(0円) | 各ネット銀行 |
| 4 | □ 紙通帳を使っている | 550円 | Eco通帳へ切替 | bk.mufg.jp |
| 5 | □ 2年以上使っていない口座がある | 1,320円 | 解約または利用再開 | bk.mufg.jp |
| 6 | □ 硬貨をまとめて預け入れている | 550〜1,100円 | ゆうちょは100枚まで無料 | jp-bank.japanpost.jp |
| 7 | □ 給与受取特典にエントリーしていない | 無料回数0回分 | アプリでエントリー | PayPay銀行FAQ |
| 8 | □ 振込依頼人名が給与と判定されるか未確認 | 無料回数0回分 | 明細確認・勤務先へ照会 | 各行FAQ |
| 9 | □ ランクの判定月ラグを知らない | 想定外の課金 | 住信SBIは3月取引→5月ランク | 各行プレスリリース |
| 10 | □ 2026年の改定内容を未確認 | 無料回数の減少 | 住信SBI 5/1、七十七 4/1 | 各行リリース |
| 11 | □ 家賃・公共料金が振込のまま | 7,920〜11,880円 | 口座振替・定額自動送金へ | 請求元 |
| 12 | □ 現金決済が中心 | ATM回数に比例 | デビット・コード決済へ | ― |
合計: 円/年
上位3項目(1・2・11)だけで、多くの家庭では年1万円前後が該当します。全項目をやる必要はなく、金額の大きい順に3つ潰せば十分です。
チェックが多いほど削減余地が大きいという意味です。まず金額欄を埋め、上位3つに絞って今週中に手続きしてください。
よくある質問
Q1. ことら送金は本当に完全無料ですか?
ことら公式(2026)によると、サービスを開始している事業者はすべて手数料無料とされています。ただし1件あたり10万円という上限があり、対応事業者は431社(2026年時点)に限られます。金額超過分や未対応行あては通常の振込となり、手数料が発生します。
Q2. PayPay銀行の給与受取特典は、給与さえ入れば自動で適用されますか?
いいえ、自動適用ではありません。PayPay銀行公式ヘルプ(2026)は、給与受取特典が「要エントリー」であり、エントリーしていない場合や振込内容が給与と判定されない場合は対象外になると案内しています。まずアプリでエントリー状況を確認してください。
Q3. 三井住友銀行のATM手数料を無料にする方法はありますか?
三井住友銀行公式(2026)によると、Oliveアカウントを契約すると提携ATM手数料が無料になります。契約しない場合は自行ATM110円、コンビニATMは平日日中220円・それ以外330円です。振込側は10万円以下ならことら送金で0円にできます。
Q4. 優遇ランクを取るために残高を増やすべきでしょうか?
一概には言えません。本文の式2で示したとおり、100万円を追加で拘束して年11,400円が浮く場合の要求利回りは1.14%です。ことら送金とアプリでATMなら残高を拘束せずに同水準の削減が可能なため、まず動作の置き換えを試し、それでも足りない場合に検討する順序が合理的とされています。
Q5. 2026年の改定で、これまでの節約法は使えなくなりますか?
無料回数に依存する部分は影響を受ける可能性があります。住信SBIネット銀行は2026年5月1日改定でカードATMの無料回数をランク制(月2〜20回)に再編する一方、「アプリでATM」「ことら送金」は何度でも無料と公表しています。七十七銀行も2026年4月1日に窓口・ATM現金振込を値上げし、アプリ・ネット振込を値下げします。アプリ経路への移行は、改定の方向と一致しています。
まとめと次の一歩
銀行手数料をゼロに近づける手順は、次の3つです。
- 今週中:ことら送金の対応可否を自分の銀行アプリで確認し、10万円以下の送金はすべてこれに切り替える
- 今月中:給与受取特典のエントリー状況を確認し、定額自動入金サービスを設定する
- 今四半期中:家賃・公共料金を口座振替へ、紙通帳をEco通帳へ、未利用口座を整理する
手数料の無料条件・料金体系は各行が随時改定します。本記事の内容も、実行時点では条件が変わっている可能性があります。手続きの前には必ず各行の公式ページで最新情報をご確認ください。相続や事業用資金など個別性の高い資金移動については、金融機関の窓口やファイナンシャル・プランナー等の専門家にご相談ください。
最終確認日:2026年8月29日




