まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
注意
保険料や返戻金は、契約内容や保険会社によって変わります。この記事の金額は、仮の条件で計算した例です。実際の額は保険証券と保険会社の見積もりで確かめてください。
火災保険の乗り換えはするべき?まず何をすべきか
最初にやるのは保険証券の確認です
- 保険期間(何年契約か)と満期日
- 払い方(一括払いか、年払い・月払いか)
- 住宅ローンの質権(銀行が保険金を受け取る権利)が付いているか
- 地震保険が付いているか
- 契約を結んだ日(2006年12月31日以前かどうか)
火災保険が値上げされる原因は?2026年10月改定の中身

業界の目安(参考純率)は2023年の届出が最新です
- 2023年6月の届出:住宅総合保険の参考純率を平均13.0%引上げ。水災料率を市区町村別に1〜5等地に区分し、最高と最低の差は約1.2倍(損害保険料率算出機構)
- 2021年6月の届出:平均10.9%引上げ。参考純率を使える期間を最長10年から最長5年に短縮(同機構)。各社の契約で最長5年になったのは2022年10月以降です(チューリッヒ)
2026年10月の各社の改定
| 会社 | 対象 | 確認できた内容 |
|---|---|---|
| 損保ジャパン(THE すまいの保険・THE 家財の保険) | 2026年10月1日以降に保険期間が始まる契約 | 建築費の上昇を理由に保険料を改定。改定幅は契約の内容・建築年月・構造などで異なる |
| 東京海上日動(超保険の住まいの補償) | 2026年10月1日以降始期の契約 | 多くの条件で家財は引下げ、建物は引上げ。平均的な保険料水準は2025年10月以降始期の契約と比べて据置き |
出典:損保ジャパン「2026年10月改定 商品改定のご案内」(PDF)、東京海上日動「2026年10月1日 商品改定のご案内」(PDF)。いずれも2026年10月7日確認。
長期契約が割安とは限らなくなった
背景にある建物の老朽化
乗り換えで得する人・損する人の見分け方
「今乗り換えるべきか」診断チャート
- Q1:2006年12月31日までに結んだ、満期返戻金付き・保険期間10年以上の契約ですか?
- YES → 地震保険料控除の経過措置(旧長期損害保険料、最高15,000円)の対象かもしれません。2007年1月1日以後に契約を変更すると対象外になるため、乗り換え前に保険会社や税理士に確認します。
- NO → Q2へ
- Q2:住宅ローンの質権が付いていますか?
- YES → 自分だけでは解約や変更ができません。銀行の承諾手続きをしてからQ3へ。
- NO → Q3へ
- Q3:住まいのタイプは?
- 戸建て・築古 → 改定で建物の保険料が上がる場合があります。計算で途中解約が得か確かめる
- 分譲マンション → 家財などが下がる場合があります。更新時に再見積もり
- 賃貸 → 契約書の条件を満たす別の保険を、更新時に検討
- Q4:ハザードマップで浸水の想定がなく、水災等地が低く、高台やマンションの上の階ですか?
- YES → 水災補償を外す候補になります。
- NO → 水災補償は残すほうが無難です。
結論は3つに分かれます
| 判定 | 当てはまりやすい人 | やること |
|---|---|---|
| 今すぐ比べる | 年払い・月払いで解約の目減りが小さい、補償が住まいに合っていない | 新契約の始期を決め、同じ日に旧契約を解約 |
| 満期・更新時に比べる | 一括払いの契約が残っている、マンションで再見積もりしたい | 満期の2〜3か月前から見積もりを集める |
| 慎重に | 2006年以前の旧長期契約、2022年10月より前の10年契約が長く残る | 計算と確認がすむまで今の契約を続ける |
火災保険の解約返戻金はいくら?乗り換え損益の計算方法
解約返戻金のしくみ
乗り換え損益の計算機(例:5年一括20万円・2年経過)
| 項目 | 式 | 例の値 |
|---|---|---|
| 旧契約の一括払い保険料 | P | 200,000円 |
| 保険期間/経過 | N | 5年/2年経過(残り3年) |
| 未経過料率 | r | 39%(仮) |
| 解約返戻金 | R=P×r | 78,000円 |
| 旧契約の年額換算 | P÷N | 40,000円 |
| 新契約の年額 | Q | 32,000円 |
| 見かけの節約(残り3年) | ((P÷N)−Q)×3 | +24,000円 |
| 旧契約を続ける実質コスト(年) | R÷残り年数 | 26,000円 |
| 乗り換えた場合の実質損益(残り3年) | R−Q×3 | −18,000円 |
10年契約などの旧契約は「結び直せない」点も足します
ケース別の対処:賃貸・マンション・戸建て
賃貸の火災保険を乗り換えるには
- 賃貸借契約書で、必要な補償と補償額を確認する
- 条件を満たす保険の見積もりを取る(家財の額は持ち物に合わせる)
- 旧契約の満期日(更新日)から始まるように新契約を結ぶ
- 管理会社へ新しい保険証券の写しを出す
- 旧契約の保険会社へ連絡して自動更新を止める
分譲マンションの場合
戸建て・築古の場合
具体的な解決方法:乗り換え当日の手順チェックリスト
乗り換え当日の手順チェックリスト(10項目)
- [ ] ① 保険証券で、始期日・満期日・質権・地震保険の有無・補償額を確認した
- [ ] ② 旧契約の解約返戻金を、保険会社に試算してもらった
- [ ] ③ 新しい保険の見積もりを取った(水災・家財の額・借家人賠償の補償額)
- [ ] ④ 賃貸なら、賃貸借契約書で必要な補償の条件を確認した
- [ ] ⑤ 新契約の始期日を、旧契約の解約日と同じ日に決めた
- [ ] ⑥ 新契約の保険証券(または契約内容の通知)を受け取った
- [ ] ⑦ 旧契約の解約を申し込み、返戻金の振込口座を指定した
- [ ] ⑧ 賃貸なら、管理会社へ新しい保険証券の写しを出した
- [ ] ⑨ 地震保険料控除証明書の発行元が変わることを、年末調整用にメモした
- [ ] ⑩ 旧契約の口座振替・クレジットカード払いが止まったことを確認した
解約の前に「請求し忘れ」がないか確認します
解約は自分で手続きします
注意
新契約が成立する前に、旧契約の解約書類へサインしないでください。手続きの遅れで、補償のない日ができるおそれがあります。
火災保険の乗り換えタイミングはいつ?
満期・更新時が基本になる理由
専門家・公的情報の見解
水災補償の付帯率は下がっています
| 判断軸 | 見る場所 | 外す候補になる目安 |
|---|---|---|
| ハザードマップ | 国土交通省ハザードマップポータルサイト、自治体のマップ | 洪水・内水・土砂災害の想定がない |
| 水災等地 | 同機構の水災等地検索、保険会社の見積もり | 等地が低い |
| 建物の位置 | 自宅の条件 | 高台、マンションの上の階 |
地震保険は火災保険とセットで見直します
税の控除は国税庁の条件で判断します
火災保険の乗り換えのデメリットとやってはいけないNG対応
やってはいけないNG対応
- 年額の保険料だけ比べて、返戻金を計算しない
- 新しい保険の成立前に、旧契約を解約する
- 住宅ローンの質権があるのに、銀行に知らせず手続きする
- ハザードマップを見ずに、保険料が下がるからと水災を外す
- 賃貸で、借家人賠償の補償額の条件を満たさない保険を選ぶ
注意
補償額を下げすぎると、いざというときに建て直しや買い直しができないことがあります。保険料より先に、必要な補償額を決めてください。
まとめ:乗り換える前に「戻るお金」を確かめよう
よくある質問
Q1. 賃貸で、不動産会社の指定以外の保険にしてもいいですか?
Q2. 途中で解約すると違約金はかかりますか?
補足
この記事は一般的な情報の整理です。個別の判断は、保険会社・代理店・ファイナンシャルプランナー・税理士などにご相談ください。
最終確認日:2026年10月7日




